2014-06-22から1日間の記事一覧

【汎整数拡張】第5回 算術シフトと論理シフト

ついに来ました、ビットシフト。みんな大好きビットシフト。signed型の負数に対する右ビットシフトの結果は処理系依存なので、以下の話はgcc限定ととらえて下さい。まずは、unsigned char型のビットシフトから。 unsigned型のビットシフトは解説するところが…

【汎整数拡張】第4回 (2^n)による剰余とビットマスク(2^n)-1によるAND演算に等価性はあるか

整数型の値に対して、その下位nビットを取り出す場合、 x & ((1<<n)-1) と書いたりしますが、これって2を法とする剰余(2^nで割った余り)でも表現できないか?と考えたことはあると思います。まず、char/unsigned char型変数の値127に対して、(2^n)-1でマスクをかけてみます。 > char : 127 0111 1111 > char -> int 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0111 1111 > c & 0x0F 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 1111 > unsigned char : …</n)-1)>

【汎整数拡張】第3回 汎整数拡張の意外な落とし穴

汎整数拡張、俗にいう「暗黙のキャスト」はソースコードに出てこないところの挙動なので、C言語上級者でもなかなかに引っかかりやすいトラップだと思います。先日、組込み系の記事で見かけた例ですが…以下コードは、unsigned char型変数をビット反転し、その…

【汎整数拡張】第2回 単項変換

前回は、以下のことを確認しました。 基本形が同じならば、signed/unsigendでキャストしようが、その内部表現(ビット列)は変化しない。 内部表現が同じであっても、その数学的値が同じとは限らない。 今回は、char/unsigned charをint/unsigned intにそれ…

【汎整数拡張】第1回 内部表現と数学的値

「C言語はポインタが難しい」というのが定説ですが、ポインタは四天王の中でも最弱だと思っています。ポインタ以上に難解なのが、この「汎整数拡張」。インテグラル・プロモーション(integral promotion)とも言います。汎整数拡張の挙動を確認する上で、ビ…

malloc(3)に負の値を渡すと

「詳説Cポインタ」p43より。 2.2.1 malloc関数の使い方 (略) void* malloc(size_t); malloc関数はsize_t型の引数を1つ取ります。この型は1章で扱いました。引数に値を指定する際には、 注意が必要です。負の値を指定した場合には、問題となります。システ…